れーこの叫び
ボヤキと叫びのバックナンバーから
名作をまとめて 本にしました
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れーこだって鬱になる、
だって人間だもの


いやあ、10日ほど経ってしまいましたね、月日ってのは早いもんです
先月はブドウを毎日眺めていると書いていましたが、
いや今月も眺めていることは変わらないのですがね、
久々に暗あ~いれーこが顔を出していたのですよ

もともと、れーこはお気楽人間で、あんまり悩まない質なのだけど、
河島英五や吉田拓郎なんぞを聞き入った時期もあり、
「てんびんばかり」や「人間なんて」をききこんでいるんだよ
一旦スイッチがそっちにオンになると、とことん暗いんだよ、
じゅんじさんよりそのタチは悪いかもしれない
何しろ根拠のない暗さだから

事の起こりはうちの坊っちゃん
大体、騒々しいことはここから始まる
思春期の真っただ中のバカムスコはただいまバイト三昧の生活をしている
それでそこそこ稼いできてご満悦なわけだ
で、今まで3000円何てスズメの涙のこずかいでやりくりしていた生活が一変
まあ豪遊できる豪遊できる
も~う好きなものを買ってきては食べる食べる
元々ひどい偏食なムスコ、
今までは空腹でキライなものも多少は食べてたけれど
甘いもので腹を満たしてしまう今ホントに食べない
こんなバカムスコと書いていても、やはり体が心配になる親心はれーこにもあるわけだ

自然小言が多くなり、
「わかってるよ、うっせーな、うざい!!」の言葉といらいらするとソファーや壁を蹴ったりするんだよ
じゅんじは
「俺が言うよりあなたの方がまだ聴くから」とひっこんでしまうし、
いざ私が言って息子と険悪になると
「険悪なのが両方になるとよくない」と
大層穏やか~~~に中立の立場の言葉でいいとこどりをしやがるし、
いざとなると仕事場にこもればいいからいいよね

こっちは4LDKの家の中、仕事場に一番大きい部屋を取られ、
男女別の子どもに一つづつ部屋を取られ、
残った和室を私の部屋にしたいのに、公用部屋のような位置ゆえに、オープンスペースになってる
部屋がない私は逃げようがない
ムスコの明らかに荒れ狂っている心そのものの音にさらされ、
変にならない方が変だと思う

で、それを分かち合うつもりでじゅんじさんに、
「この頃のあいつの出す音が恐いんだ」と言ってみた



そしたら、
「音、音の事をあなたが言う!!!!!」と返してきた
「音と言ったらあなたが出す音も相当なんだよ、
バンバンガンガン、
何でそんなに出す必要があるのかわからない、
人はね不用意な音は非常に不快になるんだよ、
わかったでしょ、大体ね粗雑なんだよなんでもかんでも」

もっとなんか言ってたような気もするが忘れた
とにかくこんな事を
電子レンジのふたをあけしめしてバンバン再現音を加えて
一気にまくしたてたのだった

れーこはもうあ然とこれを聞いていたが、
このバンバン音とともに何かがプツと切れた気がした

「もういい」非常な暗い声で宣告した後
やおら何故か判らないがゴミをまとめ始め(ホントになぜそうしたのかわからない)
やおらたまってた洗い物を始めた
洗い物をしている間「大体ね粗雑なんだよ」の言葉が頭にあって、
もう腹が立って立って、もうわざと食器を粗雑に扱い、
特にじゅんじの物になると流しに叩きつけて洗った、当然じゅんじの茶碗は割れた
湯のみは奇跡的に残った

茶碗が割れたらすっきりはしたけど、
同時にもうじゅんじにもムスコにも
もうな~~~~~~~~~んにも話しかける気がなくなって
まるでパンパンになってた袋がパンとはぜたように、
ああ空っぽってこういう事かななんて感じになってしまったの、お気楽れーこちゃんが



それから1週間へんだったなあ、
何か自分が自分でないみたい
昔見た、小栗監督の「死の棘」という映画を不意に思い出したりした

もちろんじゅんじには
最低限の「ごはん」くらいの言葉しかいわない、目を合わせない
嫌がらせとかそんなんじゃなく、もう何も言えなくなったんだな
あちらもヤバい空気は感じているから様子をうかがい、何も言わない
何もしないと変になりそうだからやたら本を読んでいた私



プチ家出した時ちょっと大きい公園でぼ~~~~としてたら、ナンパされたんだけど
危機感を持たせるような男ですたこらさっさと逃げたはいいけど
どんだけ隙だらけなんだろうと、そこでハタと現実に立ち返った

それでも、沈黙の日々は続き
そうしてるうちにホントに体も変になって頭が痛くなり、熱が出た

熱が出て、毒の部分が出きったのか、憑きものが落ちたのか、
熱が下がったら少し話せるようになっていた
寝ている間に、世話をしてもらい会話したからだけど、
それにわすれっぽい私が段々怒りを忘れつつあるからだけど、
それでも話す事が出来て正直ほっとした

そして事の元凶のムスコは病気の私に、沈黙をしている私に
親子のずうずうしさか、気安さか、甘えなのか
「おれさあ、明日こうでそうで、ああで」
ああ、あのさあ、
あんたは私がうるさいんじゃあないのうざいんじゃあないの、なんでかかわってくるのよ
「わかった、わかった」
あっさり、1番元を作った奴は私と元に戻っているのだった
その刺激と共に、いつもの生活に戻っていった気がする


結局原因を作ったものに、助けられたような
若いってことは、良くも悪くも暴力的にエネルギーで満ちている
それをもらって、またあなたの母に戻ろうかしらね
「なによ、なあ~~~にが悪いのよ」


そして今、rollyを聴きながらこの文章を打っている



じゅんじさん、ムスコに感謝しときなさいね、
とりあえずいつもの生活に戻ったけれど、私は怒りは忘れたけど、
あなたの言葉は忘れてないから
墓場まで忘れないから


やっぱり、れーこはしつこいのよ